文化・芸術

再会

Museum08july というわけで、

かなり強引な「つづき」だけれど、

メールオーダーした「奇跡のシンフォニー」のサントラ盤を聴きながら(汗)、

こんな所まで行ってきました。

北九州市立美術館

目的は、彼女に会うため。

オフィーリア(Ophelia)

会うのは、2度目の彼女。

初めて会ったのは、*1998年の神戸。

たまたま、神戸を訪れていて、

「*テイト・ギャラリー展」開催中の*兵庫県立近代美術館(当時)に立ち寄ったのでした。

その時まで、ミレイの「オフィーリア」の存在を知らなかった私。

入場者がさほど多くない展示室の、この絵の前に立ち、

じっと見ていると、だんだん不思議な感覚に浸されてきました。

場所は英国の田園地帯。

森の中の小川で、生身の女性がゆっくりと流されてゆくのを実際に見ているような臨場感あり。

草花が咲き乱れる小川のほとりのむせ返るような「森の香り」と、

流れ行く若い女性の息遣いまで聞こえそうな生々しさがあり。

神戸でこの絵に出会ったときに、思わず近づいて匂いをかいだほど(大汗)。

今回の展示はジョン・エヴァレット・ミレイ展ということで、

ミレイの画家としての出発点や習作の数々、後期の作品など多数鑑賞でき、

興味深いものがありました。

                

               つづく(・・; ・・;) 

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テイト・ギャラリー」は、現在では「テイト・ブリテン」と名称を変えています。

*神戸での開催年・施設名につきましてはご指摘があり間違いを訂正しました。開催年は1998年(4月15日~6月28日)であり、正式名は「英国絵画の殿堂 テート・ギャラリー展」です。兵庫県立近代美術館は現在は「原田の森ギャラリー」と名を変えて、移転した兵庫県立美術館の分館となっているそうです。   

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二十歳のレオナルド

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公開も、いよいよ17日までということで、

ただでさえ「人が多い」と聞いていたのに、

土曜日の午後、出かけていったわたくし。

(他に時間が取れなくて・・・嘆)

到着早々、「30分待ち」のプラカードを掲げたおじさん発見。

覚悟を決めて並んだところ、30分もかからず入場できました。

絵の前には一段高くなったミニステージのような場所が設けられ、

まずそこを通過して斜め上から絵を眺めながら、絵の前に進むという経路設定で。

モナりザ」の時よりは、工夫してあったな。。。

(「モナリザ」は日本公開が1974年だって、、、、いくつやねん、自分!?)

前置きはともかく、

受胎告知」は2000年に修復がなされた後ということで、

なんだか、新品のように綺麗だった。。。。

上野で展示後は、ネットでも感想が溢れているので、ここは別の角度から。

(大天使ガブリエルやマリアの衣装の描写や背景描写、地面の草花の精密さや、構図については特に解説・感想多し。)

Explain_img03絵を近くで見て、目立っていたのは、この書見台。

専門家によれば、

これはレオナルドの師匠の工房が、

メディチ家に納めた石棺のデザインだそうで。

はあ~~っっ。。。(ため息)

この絵の発注者は、○○大公というような当時の権力者だったと思うが、たぶんメディチ家に所縁の人物だったのかと。

不思議なのは、ここに描かれているマリアについて。

 ・・・以下、一部(いや、かなり)妄想多し・・・

マリアのモデルについては、あまり言及されていないようだし、

ネットでもそういう記述は見つけられなかったけれど、

(2ちゃんには、あったのかも・・・)

この女性は、きっと○○大公の奥方か令嬢か愛人か・・・。

きっとそういうお方がモデルにちがいない。。。

写真などない当時(1472年~1473年)のこと、

モデルの女性と絵のマリアの容貌の違いを検証することは出来ませんが、

実在の女性のパーツを生かしつつ、告知されるマリアの雰囲気を持たせ美しく描く・・・、

というような(勝手に想像しているだけです、はい)。

下世話な話かもしれないけれど、

イタリアには、こういう見立て絵が数多く。

なんというか、宗教とか神話へのアプローチの仕方が違います。

というよりは馴れ馴れしい態度といおうか

昨今のイタリア関連の展示品を見ていて、つくづく感じました。

いはゆるラテンの血みたいなものでしょうか。

たとえばメディチ家の有名な当主ロレンツォの発注で描かれた「東方三博士の行列」(ゴッツォーリ作。数年前、メディチ家所縁のの芸術作品展で観ました。)

この絵の三博士はロレンツォとその父ピエロと祖父コジモがモデルだそうだし。

ロレンツォが、そういう風に注文したわけですよね。。。

(実際の東方の三博士が見たらびっくりしそうな、ピッカピカの金持ち行列になっている)

カソリック以前も然り。

たとえば、「古代ローマ彫刻展」(2004年上野で鑑賞)。

(ここ数年のこの種の展示では一番面白かった)

紀元前後の彫刻なのだが、その頃から貴族やお金持ちは、

自分や妻をモデルに「ギリシャ神話」や「ローマ神話」の題材を使って、

石棺や墓所の彫刻を作らせていることのなんと多いことか。

賢い神々とか特に美しい女神とか・・・(呆れ気味)

女性素封家が自分を「アフロディテ(美の女神)」に見立てて作らせたものなどもあり・・。

(後世の人間からは「知らぬが仏」の世界。実物については知りようもないし)

選ぶ題材に共通するのは、栄光や美や勇猛さや賢さであって、

美しくても薄倖とか、強くても運が悪いとか、そういう題材は使われないような。

というわけで、聖書のエピソードに戻れば、イエス・キリスト本人への見立てというものがあまり見られないのは、

恐れ多いとか、不謹慎だという理由ではなく、

案外、凡人からみれば、「不幸な最期を遂げた」からではなかったのかなと。

(妄想に走りすぎかしら・・・)

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ところで、レオナルドといえば思い浮かぶのはこの自画像。

Leonard1受胎告知」は、14歳ぐらいから修行を積んだレオナルドが、二十歳で「親方」の資格を得た頃の作品。

(「親方」って「マエストロ」とかいうのかしら?)

なんだか、「やる気満々」というか、

野心に溢れた20歳の青年が、

発注者の意向も踏まえつつ(気にしつつ)、

取り組んだ意欲作という感じがいたしました。

野心的な二十歳の青年レオナルドの自画像も見たかったな。

ちなみに、私がレオナルドの実作で見たのは三作品のみ。

これと、「モナリザ」と「白填を抱く貴婦人」。

モナリザ」はルーブルでもじっくり観たのだけれど、なんだかよくわからず。

(絵自体、すごく小さいし・・・)

何度も塗り重ねてあるということからも、なにか「迷い」のようなものを感じました。

ああでもない、こうでもない」というような(「奥が深い」とでも言いかえるべきか)。

それに比べれば、「白填を抱く貴婦人」は一気に描きあげたような力強さがあり。

(絵の大きさも「モナリザ」の何倍も大きく見応えが)

描かれた女性の魅力がストレートに伝わってきて、好きな作品です。

レオナルド自身、発注者の意向に添うというだけではなく、

あの女性に好意(尊敬の念)を抱いていたのではと。

(またしても、妄想。。。。)

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それにしても、金に糸目をつけぬ人々の権勢というものはすごいですな、どの時代でも。超一流の職人や絵描きに、途方もない要求を突きつけて後世に残る芸術作品を作らせるわけで。そのお蔭で、我々も素晴らしい芸術を鑑賞する機会を得るわけだけれど。。芸術的建築物や数々の美術品が完成する蔭には、その費用の割を食って圧制を強いられる人民(スペインの王朝などよい例で)や発注者の趣味に合わないといって抹殺される芸術家がいたりすることも。驚異的なまでに精緻を極めた昔の美術品などをみると、それに関わった人々の苦労を想像する昨今で。

解説ではガブリエルの羽の描き方が詳細にわたり本物の鳥の羽のようだとあるが、私は羽自体より、大天使の着ている衣装のデザインに気を取られ(マリアの衣装も然り)。腕や胸下のリボン飾り(妙に今風でエンパイアドレスのようでもあり、昨今の流行はこの時代のパクリだったのかと)が羽を取り付けるベルトのようで。羽を背負っているように見えないこともないような・・・

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ゲージュツの春

突然ですが、「オフィーリア」(ミレイ作)。

テイト・ギャラリーの目玉のような作品です。

テイト・ギャラリー、現在はテイト・ブリテンと言うらしい)

久しぶりにこの名前をNHKの番組で聞きました。

27日放送の プロフェッショナル 仕事の流儀 スペシャル「映画を創る~」

宮崎駿がこの絵を見て打ちのめされた、というような。

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神戸であった「テイト・ギャラリー展」で初めてこの絵を見たのは、もう何年も前のこと。

土曜日だったはずなのに、さほど人が多くはなくて、じっくり見ることができました。

私の場合、打ちのめされはしなかったと思うけれど、強烈な印象を受けたことは確か。

絵はガラスの向こうではなく、触れるぐらいの位置に展示してあったような記憶が。

しばらく絵の前に立ち止まって、じいっと見入っているうちに、

自分がその場に(英国の渓流のほとり)いるような不思議な感覚があり、

思わず鼻先を近づけて匂いを嗅ぎそうになった

(渓流脇の緑の青臭い香りー英国独特の川辺の匂いが漂っているような気がして、いえ英国には都市部に一度行ったきりだからあくまでイメージですがね・・汗)

描かれたオフィーリアは、ものすごくリアルでした。

(「ハムレット」での狂ったオフィーリアが枝先に手を伸ばして川に落ち流されるイメージもそうだし、生身の人間のリアル感という意味でも。あとで調べたら、友人のこちらも有名な画家ロセッティの妻がモデルだったとか。)

今、思い返しても、

生唾をのみ込んだかも(おいおいっ!)、というような。

こんな印象を受けた絵もめずらしいです。

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その場では、ミレイの他の作品もあったのだけれど、この「オフィーリア」のような強烈な作品ではなく。力の入れ方が違うという感じ。こういうのを、「入魂の力作」とか言うのでしょうかね。ちょっと陳腐だけど。

四日連続更新という偉業!を成し遂げたあと、ほぼ十日ぶりの更新。。先週は木金土と上京しておりました。留守中にたまっていた仕事を片付けるのと、週明けの予定が立て込んでいたのとで、月・火の忙しかったことよ(嘆)。月曜夜に仕事済ませて寝るときには、なんと午前2時半を過ぎていた!東京では用事を済ませるばかりで、まったく絵を見に行くような暇もなく(嘆・嘆)。「オルセー美術館展」(東京都美術館)ゴーガンを見たかったけど・・・・もうすぐ終る(嘆・嘆・嘆)。

その昔、見に行った「ゴーガン展」でゴーガンを好きになり。ゴーガンの絵は図録や写真で見ても良さがわかりにくいような気がする。実物見てその美しさにびっくりした。

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