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二十歳のレオナルド

Davinci_annunciazione_u01_1

公開も、いよいよ17日までということで、

ただでさえ「人が多い」と聞いていたのに、

土曜日の午後、出かけていったわたくし。

(他に時間が取れなくて・・・嘆)

到着早々、「30分待ち」のプラカードを掲げたおじさん発見。

覚悟を決めて並んだところ、30分もかからず入場できました。

絵の前には一段高くなったミニステージのような場所が設けられ、

まずそこを通過して斜め上から絵を眺めながら、絵の前に進むという経路設定で。

モナりザ」の時よりは、工夫してあったな。。。

(「モナリザ」は日本公開が1974年だって、、、、いくつやねん、自分!?)

前置きはともかく、

受胎告知」は2000年に修復がなされた後ということで、

なんだか、新品のように綺麗だった。。。。

上野で展示後は、ネットでも感想が溢れているので、ここは別の角度から。

(大天使ガブリエルやマリアの衣装の描写や背景描写、地面の草花の精密さや、構図については特に解説・感想多し。)

Explain_img03絵を近くで見て、目立っていたのは、この書見台。

専門家によれば、

これはレオナルドの師匠の工房が、

メディチ家に納めた石棺のデザインだそうで。

はあ~~っっ。。。(ため息)

この絵の発注者は、○○大公というような当時の権力者だったと思うが、たぶんメディチ家に所縁の人物だったのかと。

不思議なのは、ここに描かれているマリアについて。

 ・・・以下、一部(いや、かなり)妄想多し・・・

マリアのモデルについては、あまり言及されていないようだし、

ネットでもそういう記述は見つけられなかったけれど、

(2ちゃんには、あったのかも・・・)

この女性は、きっと○○大公の奥方か令嬢か愛人か・・・。

きっとそういうお方がモデルにちがいない。。。

写真などない当時(1472年~1473年)のこと、

モデルの女性と絵のマリアの容貌の違いを検証することは出来ませんが、

実在の女性のパーツを生かしつつ、告知されるマリアの雰囲気を持たせ美しく描く・・・、

というような(勝手に想像しているだけです、はい)。

下世話な話かもしれないけれど、

イタリアには、こういう見立て絵が数多く。

なんというか、宗教とか神話へのアプローチの仕方が違います。

というよりは馴れ馴れしい態度といおうか

昨今のイタリア関連の展示品を見ていて、つくづく感じました。

いはゆるラテンの血みたいなものでしょうか。

たとえばメディチ家の有名な当主ロレンツォの発注で描かれた「東方三博士の行列」(ゴッツォーリ作。数年前、メディチ家所縁のの芸術作品展で観ました。)

この絵の三博士はロレンツォとその父ピエロと祖父コジモがモデルだそうだし。

ロレンツォが、そういう風に注文したわけですよね。。。

(実際の東方の三博士が見たらびっくりしそうな、ピッカピカの金持ち行列になっている)

カソリック以前も然り。

たとえば、「古代ローマ彫刻展」(2004年上野で鑑賞)。

(ここ数年のこの種の展示では一番面白かった)

紀元前後の彫刻なのだが、その頃から貴族やお金持ちは、

自分や妻をモデルに「ギリシャ神話」や「ローマ神話」の題材を使って、

石棺や墓所の彫刻を作らせていることのなんと多いことか。

賢い神々とか特に美しい女神とか・・・(呆れ気味)

女性素封家が自分を「アフロディテ(美の女神)」に見立てて作らせたものなどもあり・・。

(後世の人間からは「知らぬが仏」の世界。実物については知りようもないし)

選ぶ題材に共通するのは、栄光や美や勇猛さや賢さであって、

美しくても薄倖とか、強くても運が悪いとか、そういう題材は使われないような。

というわけで、聖書のエピソードに戻れば、イエス・キリスト本人への見立てというものがあまり見られないのは、

恐れ多いとか、不謹慎だという理由ではなく、

案外、凡人からみれば、「不幸な最期を遂げた」からではなかったのかなと。

(妄想に走りすぎかしら・・・)

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ところで、レオナルドといえば思い浮かぶのはこの自画像。

Leonard1受胎告知」は、14歳ぐらいから修行を積んだレオナルドが、二十歳で「親方」の資格を得た頃の作品。

(「親方」って「マエストロ」とかいうのかしら?)

なんだか、「やる気満々」というか、

野心に溢れた20歳の青年が、

発注者の意向も踏まえつつ(気にしつつ)、

取り組んだ意欲作という感じがいたしました。

野心的な二十歳の青年レオナルドの自画像も見たかったな。

ちなみに、私がレオナルドの実作で見たのは三作品のみ。

これと、「モナリザ」と「白填を抱く貴婦人」。

モナリザ」はルーブルでもじっくり観たのだけれど、なんだかよくわからず。

(絵自体、すごく小さいし・・・)

何度も塗り重ねてあるということからも、なにか「迷い」のようなものを感じました。

ああでもない、こうでもない」というような(「奥が深い」とでも言いかえるべきか)。

それに比べれば、「白填を抱く貴婦人」は一気に描きあげたような力強さがあり。

(絵の大きさも「モナリザ」の何倍も大きく見応えが)

描かれた女性の魅力がストレートに伝わってきて、好きな作品です。

レオナルド自身、発注者の意向に添うというだけではなく、

あの女性に好意(尊敬の念)を抱いていたのではと。

(またしても、妄想。。。。)

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それにしても、金に糸目をつけぬ人々の権勢というものはすごいですな、どの時代でも。超一流の職人や絵描きに、途方もない要求を突きつけて後世に残る芸術作品を作らせるわけで。そのお蔭で、我々も素晴らしい芸術を鑑賞する機会を得るわけだけれど。。芸術的建築物や数々の美術品が完成する蔭には、その費用の割を食って圧制を強いられる人民(スペインの王朝などよい例で)や発注者の趣味に合わないといって抹殺される芸術家がいたりすることも。驚異的なまでに精緻を極めた昔の美術品などをみると、それに関わった人々の苦労を想像する昨今で。

解説ではガブリエルの羽の描き方が詳細にわたり本物の鳥の羽のようだとあるが、私は羽自体より、大天使の着ている衣装のデザインに気を取られ(マリアの衣装も然り)。腕や胸下のリボン飾り(妙に今風でエンパイアドレスのようでもあり、昨今の流行はこの時代のパクリだったのかと)が羽を取り付けるベルトのようで。羽を背負っているように見えないこともないような・・・

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Comments

こんばんわーー
あ、おはよう?
中々鋭い洞察力。 いつもながら素晴らしいです。
私もダビンチ(弟子による作品との噂も)の「岩窟の聖母」を見てきたばかりですので・・・
彼の遠近法は作品を実際に見て初めて効果があるのだと思いました。 
本で見たのと全然感じが違った物。
でも赤ちゃんキリストの顔が邪悪そうで・・・。 きっと嫌いだったのじゃないかと ・・もっぱら噂しているのです。

Posted by: ちゃぎ | June 13, 2007 at 12:13 AM

>でも赤ちゃんキリストの顔が邪悪そうで・
面白いですねえ・・・
いえね、ダビンチの「受胎告知」に描かれてるマリアは、マリアというより、どこかのお金持ちの令嬢という雰囲気で。
そういう目で見るとルーブルにある「洗礼者ヨハネ」もヨハネというよりは、どこかの色男を描いたようにしか・・・
当時は注文を受けて描くということが主流でしょうから、なにかしら発注者の意向のようなものは反映されてますよね。

Posted by: ブーマリン | June 13, 2007 at 11:14 AM

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